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借り換え

住宅ローン金利は今後どうなる?金利の決まり方・上昇時の対策を解説!

2024年3月に日銀はマイナス金利政策の解除を決めて、住宅ローン金利が今後どうなるのか注目が集まっています。住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを変動金利で借りている人は69.9%と多数派なので、既に住宅ローンを借りている人への影響もあります。(参考:住宅金融支援機構

はたして今後の住宅ローン金利はどうなるのでしょうか。

はじめ
はじめ

結論をお伝えすると、固定金利も変動金利も緩やかに上昇することが予測しています。

実際に住信SBIネット銀行など一部の金融機関では変動金利の基準金利が上昇しました。

この記事では、住宅ローン金利の現状と今後の動向、金利上昇時の対策について解説するので、最後まで読んでくださいね。

記事を書いている人

  • 銀行で住宅ローン業務を担当
  • 不動産会社で7年間の営業経験
  • マイホームの購入を検討するお客様を1,000名以上担当
  • 宅地建物取引士取得
  • 詳細は『プロフィールへ』
はじめ
銀行での住宅ローン業務経験をもとに解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

住宅ローン金利の現状と決まり方

現在の住宅ローン金利は、低水準が継続しています。住宅ローンを検討する上で固定金利と変動金利のどちらを選ぶかは重要です。

固定金利は長期的に安定しているため、返済期間中の金利変動のリスクを避けたい人に適しています。変動金利は短期的には低水準ですが、将来的な金利の変動リスクが高いです。金利が上昇すると返済額が増える可能性があるため、リスクを十分に理解して選ぶ必要があります。

日銀の金融政策や世界経済の動向も住宅ローン金利に大きな影響を与えます。将来の変動を考慮し、自分に合った住宅ローンを選ぶことが重要です。固定金利と変動金利それぞれの現状を詳しく解説します。

  • 固定金利の現状
  • 変動金利の現状

固定金利の現状と決まり方

固定金利の現状は、安定しながらも長期国債利回り上昇の影響を受けており、上昇の兆しです。主要な銀行でも固定金利の引き上げが進んでいます。

はじめ
はじめ

固定金利は長期金利(10年国債の利回り)が目安になります。

10年国債は、日本政府が10年間の期間で返済する借金です。投資家は国債を購入し、政府から定期的に利子を受け取ります。そのため、10年国債利回りは、市場(投資家の動き)によって決まります。

変動金利の現状と決まり方

現在、変動金利は低金利政策の影響で歴史的な低水準を維持しています。日銀の金融緩和政策が続く限り、変動金利の大幅な上昇は期待できない現状です。

はじめ
はじめ

変動金利は短期プライムレートを基準にすることが多いです。

短期プライムレートは銀行が信用できる企業に短期間のお金を貸すときの特別な金利です。短期プライムレートは日銀の政策による影響が大きく、いままで日銀はマイナス金利政策をしていたため、変動金利は低水準を維持していました。

住宅ローン金利は今後どうなる?

住宅ローン金利は今後、複数の要因によって変動する可能性があります。リスクに対応できる資金計画を立てるためには、変動の可能性を理解した上で自分に適した金利タイプを選ぶことが重要です。固定金利と変動金利それぞれの今後について解説します。

  • 固定金利の今後
  • 変動金利の今後

固定金利の今後

固定金利は長期金利(10年国債の利回り)が目安となって決められます。10年国債利回りは、市場(投資家の動き)の影響が大きいです。

現在は日銀が長期国債の買入れを減額する方針をとっているので、長期金利は上昇(=固定金利は上昇)する可能性があります。

ただし、投資家の動きには様々な要因が影響しているため、今後予測しない動きを見せる可能性も考えられます。

既に住宅ローンを固定金利で借りている人は、固定期間中には金利が変わりません。経済情勢の影響を受けにくく、返済計画が立てやすいのが固定金利の特徴です。

固定金利は安定性がある一方で、変動金利よりも高めの金利に設定されています。将来的に金利が上昇すると予測される場合は、比較的高金利でも固定金利を選ぶほうが望ましいです。
» 住宅ローン金利を変動から固定に変更するメリットを解説!

変動金利の今後

変動金利は短期プライムレートを基準にすることが多いです。短期プライムレートは日銀の政策による影響が大きいですが、2024年3月に日銀はマイナス金利政策を解除する方針を決めました。その影響で変動金利は上昇する可能性が高いです。

実際に住信SBIネット銀行やイオン銀行などの一部の金融機関では、変動金利の基準金利を上昇させました。すべての金融機関が変動金利の利上げをしているわけではありませんが、さらなる日銀の利上げによっては他の金融機関の変動金利も上昇していくことが考えられます。

変動金利は、初期の返済額を抑えたい場合や現在の低金利環境が続くと見込まれる場合に適した選択肢です。市場の金利動向から影響を受けやすいため、常に最新の情報をチェックすることが重要です。
» 住宅ローン金利を固定から変動に変更するメリットを解説!

住宅ローン金利に影響を与える要因

住宅ローン金利は、以下の3つの要因により上昇する場合があります。それぞれの要因のどのような変化が住宅ローン金利に影響を与えるのかについて解説します。

  • インフレ率と消費者物価指数(CPI)
  • 日銀の金融政策
  • 世界経済の動向と影響

インフレ率と消費者物価指数(CPI)

インフレ率は全体の物価水準の上昇率のことです。消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定する指標です。

インフレ率が上昇すると、物価上昇に伴って住宅ローン金利も上昇する可能性があります。物価上昇により購入できる商品の種類やサービスの量が減るため、購買力の低下にもつながります。消費者物価指数(CPI)が上昇すると、中央銀行が利上げ政策を取ることが多いです。

利上げ政策の目的はインフレの抑制ですが、同時に住宅ローン金利も上昇させる結果になります。住宅ローン金利はCPIの動向の影響を受けやすく、CPIが上昇するとローン返済の負担が増加します。物価上昇と同時にローン返済額も上がり家計の負担が大きくなるため、ローンを組む際はCPIの動向に注意が必要です。

日銀の金融政策

日銀の金融政策は、主に物価の安定と経済成長を目的として行われ、日本の経済に大きな影響を与えます。代表的な金融政策は以下のとおりです。

政策目的具体的施策
金融緩和政策市場へお金を供給して経済活動を活発化させる国債の買い入れや資産買い入れプログラムにより、長期金利を低く保つ
マイナス金利政策金融機関による余剰資金の積極的な運用を促進する銀行が日銀に預ける資金に対してマイナスの金利を適用する。銀行が企業や個人への貸し出しを増やすよう促す
インフレ目標の設定消費者物価指数(CPI)の年間上昇率を2%程度にする市場金利の変動を監視し、必要に応じた政策の調整を行う
日銀の金融政策の目的と具体的施策

日銀の金融政策は、経済全体の健全な発展に役立ちます。日銀の政策と住宅ローン金利への影響を理解することは、今後の金利動向を予測する上で重要です。

世界経済の動向と影響

以下のような世界経済の動向は、住宅ローン金利に大きな影響を与えるので注意が必要です。

  • 米中貿易戦争
  • 新型コロナウイルスの蔓延
  • 原油価格の変動
  • 経済成長の鈍化
  • グローバルな供給チェーンの混乱
  • 為替レートの変動

米中貿易戦争により経済の不確実性が増すと、日銀を含む各国の金融政策が変わります。国の中央銀行は金利の引き下げで状況が改善しない場合の対処策として、金利を引き上げる可能性もあります。

近年では新型コロナウイルスによる経済停滞が見られました。多くの国で経済活動が制限されると、金利の低下が生じやすいです。原油価格の急騰により輸送コストや製造コストが上昇し、インフレが進む場合もあります。

複数の要因が組み合わさると、住宅ローン金利により大きな影響が及びます。住宅ローンを組む際は世界経済の動向を常に注視することが重要です。

住宅ローン金利が上昇する例

住宅ローン金利が上昇する例には以下が挙げられます。各状況と住宅ローン金利上昇の関係性について解説します。

  • マイナス金利政策の解除
  • 国債利回りの上昇
  • 金融緩和政策の終了

マイナス金利政策の解除

マイナス金利政策が解除されるときは、金融機関が資金調達コストの上昇を理由に貸出金利を引き上げる可能性が高いです。

マイナス金利政策の解除により、投資家の資金が利回りの高い国債から他の投資先に流れることも金利に影響を与える要素の一つです。経済全体の金利水準が上がり、国内の消費活動にも影響を与えます。

国債利回りの上昇

国債の利回りが上昇すると、住宅ローン金利に直接的な影響を与えます。特に固定金利型は国債の利回りに連動する点に注意が必要です。新発10年国債の利回りが上昇すると、長期金利や固定金利型住宅ローンの金利も上昇します。

国債利回りの上昇は、国債の需要の低下が関係している場合があります。経済が成長し、企業や個人の借り入れが容易になることは国債の需要が低下する原因の一つです。国債よりもリスクの高い投資が増え、国債の需要は減少します。

インフレが進むと貨幣価値が下がるため、投資家は国債よりも高い利回りを求めるようになります。住宅ローンを考える際には、国債利回りの動向にも注目することが重要です。

金融緩和政策の終了

金融緩和政策の終了により日銀が市場に供給する資金が減少すると、金利は上昇しやすくなります。インフレを抑制する目的で金融緩和政策が行われる一方で、経済成長の減速が懸念されます。

具体的な影響は以下のとおりです。

  • 金融市場のボラティリティの増加
  • 資産価格(株式、不動産など)の下落
  • 通貨価値の上昇

住宅ローンの利用者やこれから住宅を購入する人にとっても、金利の変動は直接的な影響を及ぼします。金融緩和政策の終了は、住宅ローンの借り手にとっても注意が必要な局面といえます。

住宅ローン金利が上がる場合の対策

住宅ローン金利の上昇が予想される場合、早めに対策を講じることが重要です。収入と支出のバランスを見直し、無理のない返済計画を立てましょう。貯蓄を増やすことも助けになります。

適切な対策を講じるためには、住宅ローン専門のアドバイザーに相談するのも良い方法です。具体的に行える対策として、以下の3つを解説します。

  • 金利上昇時のシミュレーションをする
  • 繰上返済をする
  • 借り換えを検討する

金利上昇時のシミュレーションをする

金利上昇時のシミュレーションのための準備として、まず以下の点を確認してください。

  • 住宅ローンの残高
  • 金利
  • 返済期間

住宅ローンの現状を把握できたら、次に金利上昇した場合の想定金利を設定しましょう。たとえば、現在の金利が0.5%の場合、1%に上昇したら月々の返済額と総返済額がどれほど増えるかを計算します。現在の月々の返済額が10万円で、金利上昇後に12万円になる場合は年間で24万円の追加負担となります。

具体的な数値を算出した後で、家計の見直しや金利上昇リスクを軽減するための対策も検討してください。繰上返済や借り換えなどは有効な手段です。シミュレーションにより、金利上昇時の影響を事前に把握し、適切な対策を講じましょう。

繰上返済をする

繰上返済とは住宅ローンの元本を早期に返済することで、利息の支払いを減少させる方法です。

元本の返済には以下の2種類があります。

  • 一部繰上返済:元本の一部を返済して利息を減少させる
  • 全部繰上返済:残りの全額を一括で返済しローンを完済する

繰上返済による返済負担の軽減方法には以下の2種類があります。

  • 期間短縮型:返済期間を短縮し総支払利息を減少させる
  • 返済額軽減型:月々の返済額を減らし毎月の支出を軽減する

繰上返済には手数料がかかる場合があるため、事前に確認しましょう。繰上返済を行うタイミングが早いほど、利息の節約効果が大きくなります。

住宅ローン減税が適用される場合は、繰上返済のタイミングに注意が必要です。手持ちの資金をすべて繰上返済に充てると、緊急に資金が必要になった場合に対応できなくなるリスクもあります。繰上返済は家計のバランスを考慮しつつ行うことが大切です。

借り換えを検討する

住宅ローンの借り換えは、借りている金利が高い場合や返済期間が長い場合に効果的な方法です。現在の金利と新しい金利を比較し、総返済額から返済負担の軽減額を見極めてください。金融機関の借り換えプランを複数比較して、最も条件の良いプランを選びましょう。

借り換えの際は必要書類の準備と手続きが必要です。手続きには手数料や違約金がかかる場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
» フラット35の借り換えのメリット、デメリットを解説!

住宅ローン金利の今後についてよくある質問

住宅ローン金利の今後について、よくある以下の2つの質問にお答えします。

  • 金利が上がると返済額はどれくらい増えるのか?
  • 繰上返済するとどれくらい利息が減るのか?

金利が上がると返済額はどれくらい増えるのか?

金利上昇による返済額の増加率は、借入額や返済期間によって異なります。金利が1%上昇するだけでも返済額が大幅に増加する場合もあり、注意が必要です。

3,000万円を35年の住宅ローンで借りている場合、金利が1%上昇すると毎月の返済額は約1〜2万円程度増加します。総返済額で見ると、数百万円単位の増加になることが多いです。

固定金利は金利上昇の影響を受けにくい一方、変動金利の場合は金利が上がると返済額に影響が出ます。金利が上がった場合、繰上返済や借り換えなどを検討できます。金利上昇への対策を早めに講じ、家計への影響を最小限に抑えることが大切です。

繰上返済するとどれくらい利息が減るのか?

繰上返済すると元本が早く減り、返済期間が短縮されるため、利息の総支払額は大幅に減少します。特にローン返済の初期に繰上返済を行うと利息の削減効果が大きいです。

3,000万円の住宅ローンを35年返済、金利1.5%で組んだ場合利息総額は約850万円です。10年目に500万円繰上返済すると、利息総額は約660万円に減り約190万円の削減になります。繰上返済のうち、期間短縮型は特に総支払利息の削減効果が高いです。

まとめ

住宅ローン金利は経済状況や政策に左右される点を理解することは重要です。固定金利と変動金利の決まり方にも違いがあります。金利上昇が起こる例としては、日銀の政策や国債利回りの上昇などの状況が挙げられます。住宅ローン金利の上昇への対策として、以下が効果的です。

  • 事前に金利上昇のシミュレーションをする
  • 繰上返済をする
  • 借り換えを検討する

金利上昇に伴い、自分の組んでいる住宅ローンの返済額がどれだけ増加するかを把握していることは大切です。住宅ローン金利に影響を与える市場の最新状況を確認し、適切な対策を講じるようにしましょう。
» 住宅ローン借り換えのメリット・デメリットと最適なタイミング

  • この記事を書いた人

はじめ

住宅ローンの考え方や知識を発信/不動産営業経験、銀行で住宅ローンを扱っています/不動産会社も銀行も住宅ローンの正しい組み方は教えてくれません!/マイホームをこれから検討する方、既に購入した方にも役立つ情報をお伝えします

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