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借り換え

【現役銀行員が解説】住宅ローン借り換えの審査基準とは?4つの基準と通らない原因まとめ

住宅ローンの乗り換えを検討している中で、審査が通るかどうかを不安に感じている人は多いです。借り換えの審査に通らない場合もあるため、事前に不利な条件を改善する努力が重要です。この記事では、借り換えのメリットとデメリットや、住宅ローン借り換えを成功させるための注意点を解説します。

借り換えには金利引き下げなどのメリットがありますが、状況によっては適さない場合もあります。この記事を読めば、効果的な住宅ローンの借り換えが可能です。自分の状況を良く確認してから、住宅ローンの借り換えの申請をしましょう。

記事を書いている人

  • 銀行で住宅ローン業務を担当
  • 不動産会社で7年間の営業経験
  • マイホームの購入を検討するお客様を1,000名以上担当
  • 宅地建物取引士取得
  • 詳細は『プロフィールへ』
はじめ
銀行での住宅ローン業務経験をもとに解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

住宅ローンの借り換え審査とは

住宅ローンの借り換え審査は、借り換えを希望する人が新しい金融機関でのローンを受けるために受ける審査です。借り換えの際に重要になる点は、以下のとおりです。

  • 審査の流れと必要な期間
  • 仮審査と本審査の違い

審査の流れと必要な期間

住宅ローンの借り換えの審査は、仮審査と本審査の2段階に分かれます。仮審査の流れと必要な期間は、以下のとおりです。

  1. 必要書類の用意
  2. 仮審査の申し込み
  3. 仮審査結果の通知(1日〜1週間程度)
  4. 本審査の申し込み
  5. 本審査結果の通知(1週間~1ヶ月程度)
  6. 契約手続き
  7. 新しいローンの実行
はじめ
はじめ

借り換えが完了するまで、仮審査から早くても1ヶ月はかかります。

仮審査と本審査の違い

仮審査は住宅ローンを融資していいかを簡易的に確認する審査、本審査は本当に融資していいかしっかり確認する審査です。仮審査と本審査の違いを以下の表にまとめました。

項目仮審査本審査
目的簡易的に確認する審査しっかり確認する審査
必要書類少ない多い
期間1日〜1週間1週間〜1ヶ月
仮審査と本審査の違い

仮審査は、借り換えが可能かどうかの基本的な判断のために行われます。必要最低限の情報をもとに行い、結果は数日から1週間程度で判明します。

必要最低限の情報とは、年収や現在の借り入れ状況です。本審査は収入や物件情報、信用情報などが詳しく確認されるため、より時間がかかります。提出された詳しい書類や情報をもとに、借り換えの可否が決定されます。仮審査を通過しても、本審査で不合格になる可能性もあるので注意が必要です。

仮審査が通過して安心するのではなく、本審査で求められる情報や書類もきちんと準備しておきましょう。

住宅ローン借り換えの審査基準

住宅ローン借り換えの審査には、いくつかの要素が合格ラインに達しているかどうかが審査の通過に影響します。審査基準の要素は、以下のとおりです。

  • 返済負担率
  • 年収や職業、勤務先
  • 物件の担保評価
  • ローンの返済状況

上記の基準を理解し、事前に準備することで審査に通る可能性を高められます。

返済負担率

返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合を示す指標です。返済負担率は、年収に対してどれだけの割合が年間のローン返済額にあてられるかを示しています。借り手の返済能力を把握するための基準です。一般的に返済負担率は25~35%が適切とされており、範囲内に収めることで無理のない返済計画を立てられます。

返済負担率が高い場合、審査に通りにくくなります。金融機関がリスクを低く抑えたいと考えるためです。年収が500万円の人が住宅ローンを借りる場合、年間の返済額が175万円の範囲内に収まることが理想的です。適切な返済額の設定で、生活費やその他の支出に十分な余裕を持てます。

将来的に金利が上昇した場合に返済負担率が上がる可能性があるため、余裕を持った設定がおすすめです。住宅ローンの借り換えを検討する際には、収入や支出を見直し、返済負担率を適切に管理しましょう。

年収や職業・勤務先

住宅ローンの借り換え審査では年収の安定が求められます。安定した年収は返済能力の証となり、金融機関にとっても安心です。雇用形態も重要で、正社員や公務員などの安定した職業に就いている人は、審査に通りやすい傾向にあります。

逆に、契約社員や自営業などの収入が不安定な職業に就いている人は、審査が厳しくなることがあるので注意が必要です。勤務先の規模や信用度も審査に影響します。大企業や信用度の高い企業に勤務している場合、金融機関からの評価が高くなります。勤続年数が長いほど、安定した収入が見込まれるため有利です。

収入が減少している場合は、返済能力に疑問が生じるため注意が必要です。収入が安定して増加している場合は、プラスの影響があります。転職の頻度も審査の対象です。頻繁に転職していると収入が不安定であると見なされるため、審査が厳しくなります。長期間同じ勤務先で働いている方が、借り換え審査では高評価です。

物件の担保評価

物件の担保評価が高ければ、金融機関は安心して融資しやすくなります。担保評価が高いほど、貸し倒れリスクが低減されるからです。物件の所在地や種類も評価に大きく影響します。一戸建てかマンションかなどの物件の違いは、価値に直結し、都心部にある物件は評価が高くなる傾向があります。

築年数や土地の広さ、建物の延べ床面積も重要です。新しい物件や広い土地は高評価を受けやすくなります。

物件の権利関係、所有権や抵当権の状況も評価に影響を与える要素です。借地権付きの物件や市街化調整区域の物件では審査が難しい傾向があります。

ローンの返済状況

ローンの返済状況が重要な理由は、返済の遅延や滞納があると審査が不利になるからです。以下の要因が大きな影響を与えます。

  • 返済履歴が信用情報に影響する
  • 延滞や滞納があると審査に不利になる
  • 完済していないローンの残高が多すぎると審査が厳しくなる

上記を踏まえて、ローンの返済状況をきちんと把握し、適切な管理をすることが大切です。

住宅ローン借り換えの審査に通らない原因と対策

住宅ローン借り換えの審査に通らない原因は、以下のとおりです。

  • 他の借り入れが多い
  • 年収の減少や離婚などが影響している
  • 転職が多く勤続年数が短い
  • 物件の担保価値が下がっている

上記の要因を理解し、適切な対策を講じることで、審査に通る可能性を高められます。
» 住宅ローンの借り換えを相談するタイミングとおすすめの相談先

他の借り入れが多い

他の借り入れが多い場合、住宅ローンの借り換え審査に通りにくくなります。他の借り入れが多いと返済能力に疑問が生じるためです。クレジットカードの利用残高が多い場合や、自動車ローン、教育ローンなどが多額に残っていると、審査では不利になります。

ブラックリストになっていたり、債務整理をしたことがあると審査に通りにくくなります。返済負担率が高いと、新たな借り入れが難しくなり、複数の金融機関からの借り入れが多いと審査が厳しくなります。他の借り入れが多いと住宅ローンの借り換え審査に悪影響を及ぼします。

返済能力を示すために、クレジットカードの残高を減らす、自動車ローンや教育ローンを早めに返済するなどの対策が必要です。

年収の減少や離婚などが影響している

年収の減少や離婚などが審査に影響する理由は、返済能力が疑われるからです。年収が低下すると、月々のローン返済が難しくなります。離婚した場合は、離婚によって収入が一人分になり返済能力が低下する傾向にあります。返済能力があるかは金融機関が重要視している項目でもあります。

転職や会社の倒産によって年収が減少した場合、月々の収入が少なくなるため、ローンの返済が滞るリスクが高まります。離婚によって家庭の収入が半分になり、生活費の割合が増加するケースも同様です。収入が少なくなった場合、現行のローン返済すら厳しくなる可能性があり、借り換え審査に通ることが難しくなります。

年収の減少や離婚が影響している場合は、まず自分の収入や生活費を見直し、返済計画を立て直すことが重要です。

転職が多く勤続年数が短い

転職が多く勤続年数が短いと、住宅ローンの審査には不利になることがあります。安定した収入源があるかどうかが重要な審査基準の一つだからです。金融機関は、借り手が長期間にわたり安定的に収入を得ていることを重視します。以下のような点が問題となります。

  • 転職が頻繁で安定性が低いと見なされる
  • 勤続年数が短いと収入の安定性が疑われる
  • 勤続年数が短いと信頼性が低いと判断される可能性がある

金融機関は不安定な要素やリスクを嫌います。転職の際には、できるだけ関連性の高い職種や業界での転職を選ぶと、審査においても安心材料となります。

物件の担保価値が下がっている

物件の担保価値が下がっていると、住宅ローンの借り換え審査に影響が出ることがあります。審査では物件の担保価値が重要な評価基準となるからです。物件の担保価値が下がる主な理由は、以下のとおりです。

  • 築年数の経過による価値の減少
  • 市場価値の低下
  • 周辺環境の変化による地価の下落
  • 地域の需要低下
  • 老朽化による修繕費の増加
  • メンテナンス不足
  • 立地条件の悪化
  • 経済状況の変動による不動産市場の影響

上記の問題が起きないように物件の価値を保つ行為は、審査を通過するための重要なポイントです。

住宅ローン借り換えの審査に必要な書類

住宅ローンの借り換えの際には、審査に必要な書類を揃える必要があります。基本的には、以下のような書類が必要です。

  • 本人確認書類
  • 所得を証明する書類
  • 物件に関する書類
  • 現在のローン返済予定表

» 住宅ローンの借り換えに必要な書類をわかりやすく解説

本人確認書類

本人確認書類の提出により、申請者の身元を正確に確認できます。求められる書類は、以下のとおりです。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 健康保険証
  • 住民票

金融機関によっては、複数の本人確認書類が必要になることもあるため、事前に用意しておきましょう。

所得を証明する書類

所得を証明する書類は、住宅ローンの借り換え審査の際に重要です。銀行や金融機関は、借り手の返済能力を確認するために、所得を証明する書類を必要とします。以下のような書類が必要になります。

  • 給与明細書
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 納税証明書
  • 住民税決定通知書
  • 住民税課税証明書
  • 決算書(法人経営者の場合)
  • 雇用契約書(新しく転職した場合)

所得を証明する書類を揃える準備は、審査をスムーズに進めるために欠かせません。複数の収入源がある場合や転職したばかりの場合は、詳しい証明が求められるケースがあります。提出書類の漏れがないように事前に用意をしておきましょう。

物件に関する書類

物件に関する書類は、金融機関が物件の評価を行うための基礎資料です。以下の書類が必要になります。

登記事項証明書(登記簿謄本)
物件の所有者や権利関係を示すための重要な書類です。
建物の図面や間取り図
物件の詳細な状況を把握するために必要です。面積や間取りなどを確認します。
売買契約書または工事請負契約書、建築確認済証および検査済証
物件の法的な側面や、建築基準を満たしているかどうかを確認するための書類です。
土地・建物の評価証明書や固定資産税評価証明書
物件の評価額を確認するための書類です。金融機関は物件の市場価値を判断し、担保としての適正さを評価します。

以上の書類を揃えることで、金融機関は物件の評価を適切に行い、借り換えの審査を進められます。しっかりとした準備がスムーズな借り換え手続きに繋がります。

現在のローン返済予定表

現在のローン返済予定表は、現在の借り入れ先の金融機関が発行するものです。ローンの残高や利率、残期間などの詳細が記載されています。現在の借り入れ状況を確認することにより、借り換え先の金融機関は正確な情報をもとに審査できます。スムーズに審査を進めるために、最新情報の提供が重要です

まとめ

住宅ローンの借り換えは、金利の引き下げや月々の返済額の軽減を目的とする人にとってメリットがあります。高金利のローンを抱えている場合や返済期間が長い場合、借り換えを検討する価値があります。審査は仮審査と本審査があり、以下のような書類の準備が必要です。

  • 本人確認書類
  • 所得証明書
  • 物件関連書類
  • ローン残高証明書

審査基準には返済負担率、年収・職業、物件の担保評価、ローンの返済状況が含まれます。ただし、以下のような理由から審査に通らない可能性があります。

  • 他の借り入れが多い
  • 年収が減少している
  • 勤続年数が短い
  • 物件価値が低下している

上記に当てはまる場合は、他の金融機関を検討するか、借り入れ状況を改善する対策が必要です。適切な情報を把握し、計画的に借り換えを進めることで、家計の負担を軽減できます。

  • この記事を書いた人

はじめ

住宅ローンの考え方や知識を発信/不動産営業経験、銀行で住宅ローンを扱っています/不動産会社も銀行も住宅ローンの正しい組み方は教えてくれません!/マイホームをこれから検討する方、既に購入した方にも役立つ情報をお伝えします

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